junkの泥沼
junkとは、なんぞや…?単純に言えば、それはゴミである。ここでは、このホームページ上で使われている『junk』という言葉の定義をしてみたいと思う。なお、ここでは、おもにパソコン関係のjunkについて述べているが、他のモノでも大差はないと思われる。以下の1〜7は、junkとつきあう前の最初の心構えである。

1. junkとは、ゴミである。
2. 買ったヤツの負けである。
3. 言い訳厳禁!
4. 買わない勇気!
5. 売り手はプロ、こちらはアマ。
6. junkとは、所詮、博打である。
7. 家に帰ったら手を洗おう。

と、まぁ、こんな感じなのだが、やや意味不明か…。一般には、junkに精通してくるとなにかトクなことがあるように思う人がいるかもしれないが、実際のところは、そんなことは決してない。なぜなら、junkは所詮バクチであり、競馬にいくら精通しようと得なことはないのと一緒だからである。まぁ、楽しさという価値だけは得られるかもしれないが…。もちろん、博打であるがゆえに、ごくマレに大当たりを引くこともあるわけであるが、そうやってはまっていく構造もまったく同じである。

抽象的な解説になってしまったが、まだ、junkなどというものにふれたことのない人への具体的なアドバイスとしては、「金で解決できることは金で解決しろ」ということである。確実にそれがもっとも効率のよい方法である。そもそも、それこそが資本主義というものであろう。junkなどというモノに手を出すのは、まさに趣味の世界であり、それで、なにか得をしたり、うまいことできたりなんてことは、はっきり言ってない。所詮は博打であり、万馬券の武勇伝も、結局は焼け石に水なのだ。それはシンプルに構造上の問題であり、克服不可能な問題である。なぜなら、我々、買い手は、junkという市場を維持するためになんらかの投資をする必要があるからである。いや、どんな市場でも、その市場を維持するためになんらかの投資を必要とするわけだが、最大の問題は、その市場の社会的な効率と生産性である。この効率と生産性が、junkは低いので、その市場を維持するためにより多くの投資を必要とするのである、つまり一般の市場より損なのである。また、この効率と生産性が高ければ、産業構造はそちらにシフトするというのが資本主義の理屈でもある。もし、junkにおける効率と生産性が高ければ、産業構造はそちらにシフトし、結果、産業自体が縮小再生産を余儀なくされ、タイヘンなことになろう。このようにjunk市場というものは、一般の小売り市場よりも本質的に非効率な市場であり(もしくは、そうあるべきであり)、単純には買い手にとって不利な市場なのである。そして、買い手にとって明らかに不利なその市場を維持するために大きな役割をになっているのが『賭博性』なのだ。

さて、ここまではjunkを市場という側面から見てみたので、次にもっと具体的な視点から見てみよう。junkという言葉にどの程度の地域性があるかは不明だが、とりあえず、筆者の都合上、ここでいうjunkは秋葉原におけるjunkである。まず、junkの第一の特徴は、ノーサポート、ノークレーム、返品不可な商品である。動作未確認などと書いてあればもう立派なjunkである。たいていの場合、保証と言う言葉がついてなければ無保証であろう。もっとも、無保証なものすべてをjunkと呼んでいいのかという問題もあるわけだが、とりあえず、問答無用で返品不可ならjunkとするのが、ここでの流儀である。junkというと中古や半壊品など商品の質や程度といったものに着目しがちかもしれないが、junkの本質はそこにはない。junkの本質は、『問答無用で返品不可』なことにあるのだ。実際、junkの質や程度はとても多様であり、ほんとのゴミから未使用新品まで様々である。ただし、そのゴミは本当にゴミなのか、その未使用新品が本当に動作するのかは買ってみないとわからないのである。まさに博打であり、junkの真髄はそこにある。よって、もっとも正しいjunkの見分け方は、ハードとしてのその質や程度を見極めることではない。売り手、つまり店側がなにゆえにその商品を『問答無用で返品不可』にしたのかを見極めることにある。現実的には、なかなか難しいが、人間がやっていることなので、クセやパターンが生じるのもまた事実である。対して、junkのハードとしての質や程度を見極める方法は、まったくないと言っていい。そんなものは、実際、動かしてみなければわからないのだ。

と、まぁ、今回はこんなところである。いささか、抽象的過ぎた嫌いがあるが、これは、最初に大ぶろしきを広げてみるという芸風なので、芸風は芸風として理解してもらえれば幸いである。いずれ、もっと具体的なjunk買物法や秋葉原junk事情なども取り上げる予定であり、そのときはよりわかりやすいものにしたいと思う。最後に、繰り返しになるが、junkで金銭的な得をすることはないということを再度強調しておく。


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